スイス旅行 

 日目

8月22日
今日も朝からとてもいいお天気です。アイガーが少しずつ明るくなっていくのをベランダから眺めました。

さわやかな朝の風景とは対照的に、私たちの動きはとてもぎこちなくなっていました。それは・・・ひどい筋肉痛が原因!昨日のハイキングはかなりしんどいものだったので、二人とも歩くのが精一杯といった感じでした。でもこの感覚、いつか体験したことがあるような気がする、と考えてみると、高校の時の部活の合宿だ〜と思い出しました。1日で体のあちこちがたまらなく痛くなって、それでも翌日もまたハードに練習をするというあの合宿の感覚でした。そういえば会社の後輩Oさんに、「ゆっこさんのご夫婦は、毎年夏休みに山登りの合宿をされるんですか?」と言われて慌てて「ハイキングだよ」と訂正したことがありましたが、今年はまさしく合宿かも・・・と思いました。

朝ご飯を食べて8時過ぎに出発しました。今日はまずグリンデルワルトからフィルストまでのゴンドラに乗り、バッハアルプゼーまで歩きます。
 
 
フィルストからハイキングを始めると、黒と白のツートンカラーの山羊がいました。牛に比べると小さな小さなカウベル(?)を首につけて、一生懸命お花や草を食べていました。写真をクリックすると動画にリンクしています。(458KBです)
 
 
フィルストの駅からのハイキングコースは、最初の5分くらいだけ上り坂ですが残りはほとんど平坦な道です。咲き乱れるという表現がぴったりなほど、いろいろな色のお花が咲いています。そんなお花や遠くの山々を見ながら、のんびりと歩きました。途中、バッハアルプゼーから戻ってきたと思われる人たちとすれ違いました。朝早くから歩いたんだなぁと思いました。
 
 
湖に近付くと、水を飲みに行くヤギの群れと一緒のペースで歩くことになりました。全く人を警戒しないで、足にまとわりつくようにしながら歩いていくヤギたちがとてもかわいらしく思えました。写真をクリックすると動画にリンクしています。(1MBです)
まるでヤギを飼っている様な私。この動画は私のお気に入りです!
 
 
ヤギと歩いているうちに、気付くとバッハアルプゼーに到着です。1時間かかりませんでした。水に入っている牛もいます。私たちも湖の近くまで行って、のんびりと眺めを楽しみました。水面がきらきらと光って、本当にうっとりとするような風景でした。

この後、ちょっとした出来事が起こりました。湖沿いの道を歩き出すと、少し前の方で「ガラガラガラ〜ン」という大音響と「ドスン」という音がしました。何なに?と見てみると、少し前を歩いていたご夫婦のすぐ横に、斜面になった牧草地から滑って落ちてきた大きな牛が!!あんな斜めのところで草を食べて大丈夫なのかなぁと思うことが何度もありましたが、やっぱり牛も滑ってしまうことがあるんだ、と思いました。ぶつからなくて本当によかったです。
 
バッハアルプゼーから先、どこへ行くか迷いました。いろいろなコースを考えて、ファウルホルンへ登ってみようかということにしました。
1時間半ほどのコースですが、標高2681メートルの頂上まではかなりの坂道が続いているのが見えます。ちょっとくじけそうになりながらも、あの曲がり道まで、次はあの小屋までと目標を決めて頑張りました。上から見る湖はまた違った風景でそれもきれいでした。右上の写真は、わかりにくいですが氷の上を歩いている牛の集団です。滑らないかしらと心配になりました。
 
 
 
最後の急な坂道を登って、ちょうど1時間半くらいかけてファウルホルンに到着しました。ここは山の頂上にレストランがあります。今まで登ってきた道がず〜っと見渡せるとても眺めがいい場所にテーブルが並んでいました。標高が高いだけあって、太陽が雲に隠れると急に寒くなります。
12時だったので、お昼ご飯にしようと思いました。メニューを見るとずっと食べたいと思っていた「ケーゼシュニッテ」があります。これはパンの上にチーズを乗せてオーブンで熱したスイス風のチーズトーストです。固くなったパンなどをおいしく、また量をふやして食べる知恵だったのかなぁと思いました。このレストランの物は、名前に「ファウルホルン風」と付いているだけあって、本などで見た物とはちょっと雰囲気が違ってグラタン風でもありましたが、体が温まって本当においしかったです。飲み物はすっかり大好きになった「コールドチョコレート」。冷たいミルクにちゃんと溶けて、疲れが飛んでいくようなおいしい甘さでした。
 
ファウルホルンを1時頃に出発し、ブスアルプまで下ることにしました。
この道は、ファウルホルンの頂上を背にしてひたすら下っていきます。牧草地にコースが設定されていて、次はどこ?とコースを表すペンキを塗った石を探しながら歩くのが、とても楽しかったです。
 
コースの途中に、カウベルをたくさんぶら下げた小屋がありました。放牧している牛のための小屋の様でした。ちょっと近付いて写真を撮ってみました。ベルが私の顔よりも大きくて、こんなに大きな物を首から下げて重たくないのかしら?と思いました。
 
 
1時間半程で、やっとブスアルプに到着しました。下り続きの道に、もう足はガクガクです。でも後ろから歩いてきたスイス人さんらしいご家族は、本当に足取りが軽くてびっくりしました。途中、ザッザッザッザッという靴音と「キャッキャッ」という笑い声がするので振り向きました。すると、すごい坂道を肩車しながら駆け下りてくる笑顔のお父さんの姿が!この人、絶対にアスリートに違いない・・・トレーニング中なんだわ・・・とつぶやきながら、私たちは必死にブスアルプに向かいました。

ここからはグリンデルワルトまでポストバスが出ています。バスの時間までコールドチョコレートとレモンのジュースを飲んで休憩しました。バスは細い細いくねくね道を下りながらグリンデルワルトへ向かいます。途中あまりにも細く急な曲がり角で、後ろの車輪が少しだけガタッと道から外れました。バスに乗っていたたくさんのご老人と私たちは一瞬固まって「あ〜」と大声を出しましたが、運転手さんは慣れたもので笑顔で後ろを向いて「大丈夫」とおっしゃっていました。大丈夫なのはいいけど、前を見て〜!とまた固まってしまう私でした。
 
 
 
ホテルで少しお昼寝してから、今日はグルント駅近くにあるグラッシェというホテルにチーズフォンデュを食べに行きました。夕暮れの山が見える気持ちいいテラス席でした。
フォンデュの他に1人前だけステーキを注文しました。付け合わせに日本語で「コロッケ」とあったので、ちょっと興味をもって頼んでみると、何とポテトフライ!誰が訳したのでしょう?
フォンデュはワインも濃すぎず、とてもおいしいものでした。
 

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